セラピスト向け

不安・恐怖心からの行動は無自覚に起こる!!

こんにちは、taiです。

今回のブログの内容は不安・恐怖心による身体の変化についてです。

ちなみに、私がお伝えしていく内容は、主として冨田昌夫先生の考えを下に生態心理学や無自覚へのアプローチを発信していきたいと思います。

今までに様々な先生の勉強会に参加してきましたが、自分の臨床での悩みを解決して下さったのが冨田先生であり、今の自分の理学療法を行っていく上での柱となっています。詳細に話すと熱くなり長くなってしまうので、別の機会にお伝えしたいと思います…少なからず同じ教訓の方もいらっしゃるかと思うので必ず書きます!

話が大分、逸れてしまいましたが…ここで皆さん、部活などで練習の時は上手くいくのに、本番になると急に練習の時はできていたことができなくなってしまうことはありませんか?

似たような形で脳卒中者でも歩行時に上肢の連合反応を強めてしまったり、非麻痺側優位で動作を遂行してしまったりしているのを見かけると思います。

それぞれ共通しているのは、不安や恐怖心による緊張だと思います。

ここで皆さん、オペラント条件づけ(operant conditioning、またinstrumental conditioning)というワードを聞いたことがありませんか?(特にリハ職種では学生の時に!!)。オペラント条件付けとは、報酬や嫌悪刺激(罰)に適応して、自発的にある行動を行うように、学習すること。行動主義心理学の基本的な理論(参照Wikipediaより抜粋)のことです。例えば有名な実験ではネズミに音を聞かせた直後に後ろ脚に電気刺激を与えることを繰り返すと、その後ネズミは同じ音を聞かせただけでうずくまるという行動をとります。これは、音=電気刺激という反射回路が無意識のうちに形成されてしまいます。この怖い・痛いといった情動は脳の扁桃体という部位が関与しており、たった一回の経験でも学習できてしまう可能性があると言われています。これは、記憶を司る海馬という部位と扁桃体が密接に関与しており、危険から身を守る上で動物に必要不可欠な神経回路です。

これを臨床に当てはめるとどうでしょうか?

何気なく起立練習や歩行練習を行う中で患者さんの全身の筋緊張は亢進していませんか?

また、全身の筋緊張が亢進しているにも関わらず、ついつい言語教示にて「もっと麻痺側へ体重を乗せて」「歩くときはもっと前を向いて」などと伝えていませんか?すでに共同運動パターンなどが出現し、全身の筋緊張が亢進してしまっている状態では、意識して動作を変えることは難しいと思います。(皆さんもお化け屋敷で大丈夫だよ、リラックスして歩いてねーと言われても無理ですよね…)。本来であれば、認知・情動の両方からの情報を判断・意志決定しトップダウンにて思考・行動などをコントロールしている前頭前野が、痛みや不安などから交感神経優位になると、前頭前野が抑制されてしまいます。結果として扁桃体の機能が優位になり、大脳基底核での自律的な行動(脳卒中であれば歩行時の共同パターンの出現等)になってしまいます。これは、意図してできるものではなく全て無自覚に生じています!!

 

本来であれば、認知・情動の両方からの情報を判断・意志決定しトップダウンにて思考・行動などをコントロールしている前頭前野が、痛みや不安などから交感神経優位になると、前頭前野が抑制されてしまいます。結果として扁桃体の機能が優位になり、大脳基底核での自律的な行動(脳卒中であれば歩行時の共同パターンの出現等)になってしまいます。これは、意図してできるものではなく全て無自覚に生じています!!

 

私自身も新人の時はすごく言語教示を多く使用していましたが、患者さんがとる姿勢や動作を行っている背景(不安や恐怖心など)を配慮していけると、更に必要なアプローチの難易度調整や立案にも繋がっていけるのではないかと考えています。

 最後まで読んでいただきありがとうございました。

参考文献は私の尊敬している冨田昌夫先生らが執筆している臨床動作分析を使用しています。私の臨床での柱となる概念のため、よく使用させて頂きますが是非、皆さんも興味がある方は読んでみて下さい。

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