セラピスト向け

リハビリを行っていくうえで何気なく目標を立てていませんか??

こんにちは、taiです。

急に寒くなっていきましたね…体調を崩さないように気を付けて臨床をがんばっていきましょう!

今回は「極める 脳卒中リハビリテーション必須スキル」の一部より目標設定についてです。(ちなみにこの書籍は総監修が吉尾先生で、その他にも冨田先生や脳画像で有名な広南病院の阿部先生など、脳卒中で有名な先生方が執筆されたものです。様々な視点から脳卒中リハに関する内容が記載されていますので、興味ある方は是非ご一読ください。)

その中でも今回はCI療法などで様々な文献や発表を行っている、竹林先生が執筆されている、目標設定の意義と効果からお伝えします。(一部、私見も入っていますので是非、気になる方は本書をお取りください)

皆さんは、リハビリを行う上で必ず初回評価時や定期評価で目標を利用者さんや患者さんと立てると思います。その際、「歩けるようになりたい」「腕の麻痺が改善して動かせるようになりたい」などと抽象的な目標になっていませんか?恐らく新人の時であれば、あるあるではないでしょうか?私も新人のころは恥ずかしながら上記のような目標になりがちでした。

そこで、目標設定をどのように設定するのがよいのかという理論をLockeらが以下のようなポイントで提唱しています。

①難しい課題はより大きな成果に結びつく

⇒課題難易度としては成功率が約70%に設定するのが理想とされています

②特異的で明確な目標は、簡単で一般的な目標よりもパフォーマンスの向上をもたらす

③具体的かつ難易度が高い目標はより良いパフォーマンスをもたらす

⇒曖昧な目標より具体的な目標の方がパフォーマンスを8.4~16%の範囲で改善させるとの報告があります

④目標が具体的かつ難易度が高いと、目標達成に向けた献身的な行動が強くなる

⇒簡単な目標はすぐに達成できてしまい、曖昧な目標は行動を重ねるうちに目標が変わってしまい結果としてパフォーマンスを低下させる可能性があります。

⑤高いゴールへの献身的な行動がなされる条件(④を受けて)

また、目標設定を決定していく上で以下の2点が大切となります。

1.設定した目標が重要であると対象者が合意・同意している。

⇒これは、ただセラピストだけが目標に向かうのはなく、利用者さんや患者さんにも目標が重要であることを共有することで価値が明確になり内発的動機付け(患者さん自身から生まれる行動を持続させるもの)に繋げることができます。※外発的動機づけ=セラピストなどの他者からの刺激

よって、目標を設定していく段階でも主体的な患者さんの参加が重要になってくるといえます。

2.対象者自身が設定した目標を達成できると判断している

⇒これは、患者さんができると思える範囲での目標を決めることで、行動を起こしやすくなります。また、行動を起こしやすくするためには適切な難易度調整が必要となり、成功体験を通じて自己効力感(=~ができるという自信)を高めることが更なる意欲向上や行動変容にも繋げることができるかと思います。

いかがだったでしょうか?

実際に上記の内容を実践されている方も多いかと思いますが、改めて主体的に患者さんがリハビリを行うためにも目標設定の段階から考慮していくことが重要だと個人的には感じました。

特に、障害を伴い精神的にもネガティブになりやすく、意欲も上がらない方も多くいらっしゃるとか思います。そのためにも、予後予測を踏まえ最終的な目標を達成するための段階的な目標設定を行い、それを少しずつ達成していくことで自信が持てる・動きたいと思えるような働きかけも重要でこれからの臨床においても常に心掛けていきたいと思います。

本日も最後まで読んで頂きありがとうございました!

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