はじめに
こんにちは、taiです。
最近、脳血管性パーキンソニズムの症例を担当することがありましたので、脳血管性パーキンソニズムの定義と生じる因子、鑑別すべき疾患、パーキンソン病との臨床的症状の違いについて記載したいと思います。
参考・引用文献は西山らの「脳血管障害性パーキンソニズムの新しい診断法と治療」と高橋らの「パーキンソニズムを呈する疾患の診断と治療」です。
私見や解釈の違いも生じる可能性がある為、気になる方は是非とも原著をご確認ください。
内容
①疾患概念
初めに脳血管性パーキンソニズムの疾患概念についてです。
Yamanouchiらは以下の条件に基づいて脳血管性パーキンソニズムを定義しました。
また、脳血管性パーキンソニズムの病理学的特徴は、画像診断ででのMRI上において、 基底核の多発性ラクナ梗塞の症例の26%、大脳皮質下白質の広範な虚血性変化を認める症例の 40%にみられたとする報告があります。基底核の虚血性変化は相当高度にならない限り、パーキンソニズムを発症しないそうです。
以上の結果をまとめると
②鑑別診断
次に鑑別診断です。鑑別診断に関しては、一般的なパーキンソニズムを来たす疾患の除外が基本となります。
パーキンソニズムをきたす疾患には以下のようなものがあります。
特に、パーキンソン病との鑑別ももちろん重要ですが、薬剤性パーキンソニズムも珍しくない為、必ず原因となり得る薬剤の使用歴がないかは確認が必要となります。
③パーキンソン病と脳血管性パーキンソニズムの臨床的症状
また、パーキンソン病との臨床的症状との鑑別は以下の表になります。
脳血管性パーキンソニズムでは、仮性球麻痺による嚥下障害、構音障害、感情失禁、不全片麻痺、深部腱反射亢進な ど病的反射の出現など脳血管障害でよくみられる症候を合併することが多いです。
まとめ
いかがだったでしょうか?今回は、脳血管性パーキンソニズムの定義や因子、鑑別診断等について記載しました。
調べてみると、パーキンソン病との臨床的症状の違いは改めて感じましたし、パーキンソニズムをきたす疾患に関してもおさえておく必要があると感じました。ちなみに私が担当しているケースにおいても、歩容においては小刻み歩行やすくみ足が主であり上肢症状は軽度でした。臨床所見を把握しておくと、介入時の理学療法評価がスムーズになり介入においても効率的に介入することができますね。
最後まで読んでいただきありがとうございました。