こんにちは、taiです。新年度が始まりましたね!新年度は新入職員が入ったり異動があったりと様々な変化がありますが、私自身も良い意味でたくさんの変化があり多忙な年となりそうです…。しかし、ポジティブに患者・利用者様の有益となるように臨床に励み実りある年度にしていきます。(遂行機能を司る前頭葉をフル活用していきます!笑)皆さんも、一緒にがんばっていきましょう!
さて新年度一発目の本日は、「臨床動作分析」よりクラインフォーゲルバッハの運動学の治療的応用から
[ダイナミックスタビライゼーションの胸椎の役割]について概説していきたいと思います。私見も多々含みますので、詳細については本書を是非ご覧下さい。
はて、早速ダイナミックスタビライゼーションとはなんぞやといいますと、「複数の身体体節が連結しながら運動性が保証された活動状態である。」と述べられています。つまり、抗重力姿勢に必要なのは、同時収縮により身体を固める(運動の締結)のではなく、運動の自由度がある程度制限されながらも運動性が保証された状態にある必要があります。
その中で胸部は多くの身体体節が連結していることから、より安定性が求められ、これにより他の身体体節の運動性が保証されます。また、胸部は機能的には呼吸運動に関与し、効率のよい呼吸運動を保証する脊椎伸展位の確保が重要であるとも述べています。
本書で、特に私が胸椎伸展の重要性に対して「なるほど~合理的だな!」と思ったのが、立位姿勢における矢状面上での重心線との位置関係についてです。矢状面上では、頚椎、腰椎、下肢などは各関節の近位部を通るのに対して、胸椎に関しては重心線が前方を通り屈曲方向への応力を受けます。(図参照)
つまり、胸椎には屈曲方向へのストレスがかかる為、抗重力位を保持するためには他の部位よりも伸展しておく必要があり、逆に胸椎が伸展できていれば運動は行いやすい(=ダイナミックスタビライゼーション)状態であるということになります。
私自身、新人の頃はよく円背のある患者さんに腰椎伸展を促すようなエクササイズを実施していました。しかし、実は今回のように胸椎の屈曲から先行し体幹が全体的に伸展してしまうことも多くあり、その場合は腰椎ではなく胸椎からアプローチをしていく必要があります。
- 評価のポイント:視診と触診にて体幹を矢状面上にて確認し、胸椎の後弯を評価しましょう。以外と腰椎は胸椎後弯の代償で伸展していたりするケースもあります。漠然と体幹の円背と評価するよりは、どの部位が正常より逸脱しているのか、また今回の胸椎のことも着目しながら評価すると、更にアプローチが具体化していけると思います。
- アプローチ:胸椎の後弯や拘縮が強い場合は相対的に上位頚椎の過伸展が生じ、背臥位で接触しない箇所があるかと思いますので、できるだけクッションなどでトータルコンタクト(=前面接触)を図り、過緊張を軽減させましょう。その上で前胸部などの短縮している筋をダイレクトストレッチなどで改善し胸椎伸展を促していけると良いかと思います。
- 詳しい胸椎伸展の促通方法はまた次回説明したいと思います。
本日も最後まで読んでいただきありがとうございました。