はじめに
こんにちは、taiです。
本日は、虚弱な状態を示すフレイルを予防する為の具体的な方法についてお話したいと思います。
是非、以前のブログもご参照下さい。
介護予防の豆知識シリーズ
介護予防の豆知識~Part2:虚弱な状態?フレイルとは??~
内容
前回のブログの復習になりますが、虚弱な状態を指すフレイルには下図に示すように様々な要因が影響します。
①身体的フレイル:いわゆる加齢に伴った筋力低下などのこと。これが原因で転倒しやすくなったりします。
②心理・精神的フレイル:認知症やうつ傾向になり意欲が湧かなくなってしまう状態。これにより、活動量が低下したり、介護を要す必要がでてきます。
③社会的フレイル:これは、閉じこもりなどのこと。昨今はコロナ渦で中々、人の交流が遮断されやすく、特に閉じこもり等になることが多いかと思います。これにより家からでなくなることで全身の体力低下や認知機能の低下などに繋がる恐れがあります。
④オーラルフレイル:最近では、口の中や歯を清潔に保ち、顔回りの筋力の重要性もいわれいます。
上記の①~④のどれか一つでも問題が生じると、その他の要素も関係している為、病気になりやすくなります!!
ではこれから①~④のそれぞれの要因についての予防法をお伝えしたいと思います。
①身体的フレイル:いわゆる加齢に伴った筋力低下などのこと。これが原因で転倒しやすくなったりします。
⇒①に関しては、以前のブログの介護予防の豆知識~Part1:筋肉の種類~でも述べましたが、特に加齢に伴い筋力が低下しやすい太い筋肉を鍛えることが重要です。
良く自主トレで用いやすい散歩やウォーキングでは、持久力などで発揮する細い筋肉が鍛えられますが、パワーなどで用いられる太い筋肉は鍛えられません。
具体的に、日常生活で太い筋肉を鍛える方法としては、スクワットやつま先立ちなどがおすすめです。それぞれ、転倒に注意して支持物などを用いて行えるとよいと思います!
フレイル状態にある高齢者においても、運動の継続はフレイルの進行を抑える効果がある1)とされており、筋トレの重要性が示唆されています!
1)Gill TM,Baker DI,et al.N Engl JMed.2002Oct 3;347(14):1068-1074
②心理・精神的フレイル:認知症やうつ傾向になり意欲が湧かなくなってしまう状態。これにより、活動量が低下したり、介護を要す必要がでてきます。
⇒②を改善させる方法としては、コグニサイズと言われる頭を使いながら体を動かす運動が良いとされています。
例えば、その場で足踏みをしながら1から順に数字を数え、3の倍数(3、6、9、12…)で手をたたくといったものです。その他にも散歩しながらしりとりをしたり、通ってきた車のナンバーの4桁を計算して10にするなど、頭を用いながら運動を行うことで、脳により血流が行き届き認知機能低下を予防・改善することができます。
コグニサイズの留意点としては、運動はできるだけ中等度の運動が良く(軽く息が切れる程度)、認知改題もやや難しいのが良いとされています。可能な範囲で、取り入れてみて下さい!
また、先行研究においても軽度認知症(MCI)を有する高齢者では、6か月間の多重課題運動(コグニサイズ)によって脳の萎縮領域が縮小したが、運動しなかった群では、6か月後の脳の萎縮領域が増加した2)、とあります。
2)Suzuki T,Shimada H,et al.PloS One.2013 Apr9;8(4):e61483
③社会的フレイル:これは、閉じこもりなどのこと。昨今はコロナ渦で中々、人の交流が遮断されやすく、特に閉じこもり等になることが多いかと思います。これにより家からでなくなることで全身の体力低下や認知機能の低下などに繋がる恐れがあります。
⇒③を改善させる方法としては、やはり人と交流することが重要です。感染対策に注意しつつ知人やご家族の方とお話しをしたり、買い物などの外出を行うことで、外部からの刺激により脳の活性化や体を使用することによる筋力の維持などに良いかと思います。
先行研究でも週に1回外出しない高齢者は、毎日外出している者よりも、2年後の歩行障害や手段的自立障害、認知機能障害が発生しやすい3)、とあります。
また、社会的孤立(別居親族や友人知人との交流が週1回以下)や外出頻度の低下(1日1回未満)は4年後の高次生活機能低下のリスクとなり4)、6年後の生存者割合も低い5)と言われています。
※高次生活機能低下:バスや電車での外出、新聞を読んでいるか、友達の家を訪ねることができるかなど
3)Fujita K,Fujikawa Y,et al.J Epidemiol.2006 Nov;16(6):261-270
4)Fujiwara Y,et al.Geriatr Gerontol Int.2017 Mar;17(3):500-508.
5)Sakurai R,Yasunaga M,et al.Int Psychogeriatr.2019 May;31(5):703-711.
④オーラルフレイル:最近では、口の中や歯を清潔に保ち、顔回りの筋力の重要性もいわれています。また、飲み込む力が弱くなりむせやすくなると誤嚥性肺炎や窒息と関連があるとされています。
その他にも歯の喪失や咀嚼力が低下した人は、食べにくいものを避けて柔らかいものを好んで食べるなど、更に咀嚼が低下する悪循環になりやすいとされています。フレイルやサルコペニアの新規発症者や要介護新規認定者では、半年前に比べて固いものが食べずらくなったと答えた者の割合が有意に多かった6)、とされています。
6)Tanaka T,Tkahashi K,et al.J Gerontol A Biol Sci Med Sci.2018 Nov 10;73(12):1661-1667
⇒④を改善させる方法としては、食後の歯みがきをきちんとする、知人とたくさん会話や談笑することで顔回りの筋肉を鍛える、少しでも固いものを食べたり、固いのが食べられない場合は噛む回数を増やすことで嚙む力を鍛えることができます。
まとめ
いかがだったでしょうか?今回は、虚弱な状態を指すフレイルに対する具体的な改善・予防策についてお伝えしました。フレイルは様々な要因が影響し合っています。また、重要なことはフレイルは改善できるということです!日常生活の中で取り入れられるものから挑戦してみて下さい!!
毎日の積み重ねが、気づけば大きな改善や予防に繋がってきますので、健康寿命を延ばす為にも少しずつ挑戦していきましょう!!
最後まで読んでいただきありがとうございました。