セラピスト向け

アフォーダンスとは??私たちが決めるのではなく環境との関係で決定される!!

こんにちは、taiです。先月末に待ちに待った冨田先生と小林先生執筆の「患者さんの主観的評価とリハ治療」という本が発表になりましたね!私も先行予約して購入しました。特に冨田先生の勉強会に参加してもう一度聞きたかった内容や、実際の実技がQRコードで動画として見れるため、何度も見返して臨床に繋げることができとても参考になっています!また、若くして脳卒中になられた小林先生が、自身の体を通じどのように知覚したのか、また冨田先生にズバズバ質問し、言語化された治療手技を知ることができる内容となっています。是非、この良書から学んだことをブログでも発信していきたいと思います。

さて、今回も大分内容が大幅に逸れてしまいましたが…本日は、「臨床動作分析」よりアフォーダンスについて概説していきたいと思います。私見も多々含みますので、詳細については本書を是非ご覧下さい。

ところで皆さんは、アフォーダンスという言葉を聞いたことがありますか???

なかなか、聞いたことがないという方もいらっしゃるかと思いますが、そもそも既存の言葉ではありません。アフォーダンスは、ギブソンによる「afford=与える・提供する」をもとにした造語であり、“環境が動物に提供するものであり、それは生命を取り囲んでいるところに潜んでいる”意味である。ということです…ん、なんかめちゃくちゃ難しいですね…これは環境が私たち生物に与えるということがミソだと思います。

例えば、私たちは「眼で見ている」「耳で聞いている」のではなく、「見させられている」「聞かされている」と捉えるとどうでしょうか?つまり、行為は脳だけで決定されるのではなく、環境との関係で成立しているという理論です。

なので、「すり抜けられる隙間」や「つかめる距離」などもアフォーダンスとなります。これらは全て個人が知覚して経験しないといけません。大人になれば、つかめる範囲などは意識しなくてもある程度把握できますが、それは子供のころに、あらゆる環境下でたくさん失敗を経験し学習しているからだと思います。

ギブソンは、生物の行為が身体内部のみで決定されるものではなく、環境が行為や運動制御に関与していることを提示しています。(細かくは視る、聴くなどの五感に基礎定位づけを加えた知覚システムを用いて説明しています)

このような考え方はリハビリにおいても非常に重要ではありませんか??

例えば、脳卒中者で室内のみの歩行練習しか実施せずに屋外歩行練習をする機会が少なかったとしたら…そして退院してしまったらどうでしょうか?

脳卒中により身体図式が今までとは変わり、屋外でのデコボコの不整地を知覚する環境をセラピストが提供しなかったら、自ずと転倒の危険は増加しますよね。
上記の例は極論ですが何気なく、私たちはアフォーダンスの理論を取り入れていると思います。

また、リハビリの中で私たちが環境を提供するのはもちろん、患者さんが主体的に環境情報を探索・知覚することが重要となります。そのためには、知覚しやすい身体作り(過剰努力を伴わない筋緊張になっている)が必要ですね。

いかがだったでしょうか?上記の内容を理解することにより、今、患者さんには何を提供してあげればよいか、またリハビリ室だけでなく様々な環境でリハビリを提供していく必要があるのではないでしょうか?

本日も最後まで読んでいただきありがとうございました。

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