こんにちは、taiです。
本日も靴に関連して「高齢者の靴を選ぶ時のポイント」について説明していきたいと思います。
参考資料は坂口顕先生の「理学療法士のための足と靴のみかた」より記載致します。
ポイントは2つ、①自らが履いて歩くための靴、②介護者が履かせやすい靴です。
それぞれみてきましょう。
①自ら履いて歩くための靴
高齢者の歩く際に気を付けなければならないのが転倒です。転倒や骨折は要介護状態に陥る原因の第5位にあたるほど重要な問題となっています。
また、ある報告では65歳以上の高齢者の6割以上が屋外で転倒しているとあります。(その内の8割が靴を履いて歩行している時で、そのうちの半数以上が何もないところでつまずいての転倒)
もちろん他の要素も考える必要がありますが、少なからず靴も転倒リスクである可能性があります!
そして高齢者が靴を選択する際の理由として「足にフィットした」「着脱が容易であった」が上位を占め、「歩きやすかった」は最下位であったと筆者らの調査で明らかとなっています。
つまり、足への当たりが少なく、着脱が容易であるものを選ぶ傾向があります。また本来であれば転倒予防等を考慮するために、試着時に歩いて確かめることは重要なポイントだと思います。では、具体的にどのような靴を選べばよいのかは前回のブログで記載している靴の三点固定を確認して頂ければと思います。(一応、図を載せておきますね)
以外と動ける方でも入院時にどのような靴を履けばよいのか分からずに安定性の弱い介護用の靴(ナイロン製の柔らかい素材など)を選択していたりするケースも良く見かけます。そのような場合は踵を踏んで、すり足となるなど転倒リスクの増加や歩く姿勢が悪くなるなど、靴による悪影響にも配慮していく必要があります。
②介護現場での靴
こちらはどちらかというと「歩くための靴」ではなく、「履かせやすい靴」に重きを置いています。なのでイメージとしては介助量が重度で中々ご自身主体でお体を動かせない方に使用されるケースが多いかと思います。靴の役割としては「足の保護」「滑り止め」が主であり、前述した歩きやすさは考慮されていません。
大切なポイントとしては、やはり「履かせやすい」ことで、開口部が広くなっているものなど着脱しやすいものであれば、介護者の負担軽減にも繋げることができます。介護者は少なからず、食事やトイレへの移乗など、一日の中で頻回に靴の脱着を求められることがあるため、靴の脱着が容易になるだけでもかなりの負担軽減に繋がるかと思います。
また、車いす離床が長くなるケースでは、足のむくみが増加する方も多いため、靴の甲の部分が調整できるものだとよいと思います。
いかがだったでしょうか?その他、高齢者では、足の変形など有する場合も多いですが、まずは、どういった靴がよいのか傾向を掴んで頂き、靴を選ぶ際の参考になれば幸いです。
まとめると
①自ら歩くための靴=三点固定のある靴(歩きやすい靴)
②介護現場の靴=脱着しやすくむくみなど足の保護ができる靴となります。
本日も最後まで読んでいただきありがとうございました。