はじめに
こんにちは、taiです。
臨床において、立位時における内・外腹斜筋の筋活動はイメージしづらくないでしょうか?
そこで本日は、鈴木俊明先生の執筆された「体幹と骨盤の評価と運動療法」より立位姿勢からの側方移動時の内・外腹斜筋の筋活動を述べていきたいと思います。
運動療法においても側方への重心移動練習は実施することは多いと思いますので、是非参考になれば幸いです。
私見も含みますので是非、原著をご確認ください。※自分が買ったものが改変されており、ブラッシュアップされています!
内容
目的:
立位での側方への体重移動時において 内腹斜筋単独部位、内・外腹斜筋が重層する部位、外腹斜筋単独部位に分け筋電図学的検討を実施。
方法:
健常男性8名を対象とし、立位でそれぞれの下肢は体重計に乗り足幅は肩幅とした。
内腹斜筋単独部位、内・外腹斜筋が重層する部位、外腹斜筋単独部位に電極を貼り、一側下肢の踵を離床させ足尖部が軽く体重計に触れている状態での側方への体重移動を保持し、移動側と非移動側のそれぞれの筋電図を測定した。
結果:
移動側、非移動側において内腹斜筋単独部位と両側の腸骨稜を結ぶ線より下部の内・外腹斜筋重層部位において筋活動が増加する傾向を認めた。
図では、⑥が内腹斜筋単独部位、④⑤⑦⑧が両側の腸骨稜を結ぶ線より下部の内・外腹斜筋重層部位
考察:
側方移動時の移動側の寛骨に上方へ反力が掛かり、反対に仙骨には上半身の重さや非移動側の重さが加わり、下方へ下げられる働きが生じる。
結果として、移動側の仙腸関節には剪断力が働き、これらを防ぐ為に両側腸骨稜を結ぶ線より下部に内腹斜筋横線維の筋活動が増加したと考えられた。
よって、この内腹斜筋横線維の活動が不十分である場合、側方移動は乏しくなり一側下肢への体重移動は困難になることが分かった。
まとめ
いかがだったでしょうか?今回は、立位姿勢からの側方移動時の内・外腹斜筋の筋活動についての研究をご紹介しました。
今回の研究を踏まえて、実際に運動療法を展開していく場合、内腹斜筋横線維に着目して実施していく場合があります。
具体的には側方への重心移動練習時に体幹垂直位のまま移動側下肢へまっすぐ荷重させることが重要です。特に仙腸関節の剪断力を防ぐのにこの内腹斜筋横線維が働くことを意識すると良いと思います。よって体幹が側屈してしまったり、骨盤が流れてしまう場合には、徒手にてアシストしたり、上肢の支持で難易度を調整するなどが必要かと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。