セラピスト向け 体幹

必読!片脚立位における構成要素とは!?【体幹筋活動に着目して】

はじめに

こんにちは、taiです。

いきなりですが、皆さんは臨床の中で、片脚立位の練習やどれだけ片脚で立っていられるか評価をする場面があるかと思います。

ちなみに実際にどのようにして、私たちは片脚立位をとっているのでしょうか?

実際には、体性感覚や視覚等の様々な要素が必要となってきますが、今回は、特に片脚立位保持に関与している体幹筋のどこが働いているのかを文献を用いて述べていきたいと思います。

ご紹介する論文は鈴木 哲先生の【片脚立位時の体幹筋活動と重心動揺との関係】を抜粋して記載致しますので、是非気になる方は原著をご確認ください。

また、今回の内容を踏まえて臨床でどのように用いていくのかを私見も含めてご紹介致します。

私がこの文献を調べた経緯ですが、若手の時は実際の立位バランス評価で片脚立位を用いた際にはどれだけ保持できたかと“時間だけ”を評価していました。しかし、保持できない原因に対して片脚立位に“必要な構成要素”を知り、実際に保持できない患者さんに評価できれば、運動療法にも展開しやすいと思ったからです。

tai
先に述べた通り、片脚立位には必要な構成要素がたくさんあり、具体的に評価するにしてもどこを見たらよいのか分からなくなりますよね。なので、事前にどこが働いているのかを知っておくことで的を絞って評価できますよね。

 

内容

文献の要約です。詳細な内容は割愛させ得て頂き、特に片脚立位時の立脚側・遊脚側体幹筋活動の特徴について記載致しますので、繰り返しになりますが詳細な内容は原著をご確認ください。

1.目的

片脚立位時の立脚側・遊脚側体幹筋活動の特徴を明らかにした上で,片脚立位時の体幹筋活動と重心動揺の関係について検討すること

2.対象者

成人健常者10名

3.方法

対象筋は左右の頸部脊柱起立筋,胸部脊柱起立筋,腰部脊柱起立筋,腰部多裂筋,腹直筋,外腹斜筋,内腹斜筋としました。

表面筋電図を用いて片脚立位時の立脚側と遊脚側の体幹筋活動,併せて重心動揺計を用いて重心動揺も測定しました。

4.結果・考察

立脚側では、内腹斜筋と腰部多裂筋の筋活動が増加し、

遊脚側では、外腹斜筋と胸部・腰部脊柱起立筋の筋活動が増加しました。

⇒前額面上の対角線上で筋活動の増加率が高い傾向という特徴を示した。※たすき掛けのように筋活動しているということになりますね。

Visivle bodyより引用部あり

 

Visivle bodyより引用部あり

なぜ、上記結果になったのか?

・一側下肢への荷重量の増大にともなう仙腸関節への揃断力に対し骨盤の安定化を図るため,立脚側の内腹斜筋の活動が増加する事を示唆しています。多裂筋も同様の考えでよいかと思います。ちなみに後面では大殿筋も上記理由で重要です。※ただし内腹斜筋の筋活動には個人差があり留意しなければなりません。

Visible bodyより引用

・遊脚側腰部脊柱起立筋は骨盤を水平位保持し,重心の安定化をはかるために筋活動を増しており、遊脚側外腹斜筋は側方動揺の制動に関与しているのではないかと考えられました。

 

臨床でどのように用いるか?

以上より、片脚立位時の体幹の筋活動が分かりました。ここまで分かれば実際に臨床でこれらの筋に対してアプローチをすれば、改善する可能性があると言えるかと思います。また、アプローチするには、できるだけOKCよりはCKCで行った方がより、姿勢制御含めてアプローチできると思います。

もちろん、立位等で上記の筋発揮がしづらい場合は、OKCで行うのもありかと思います。

例えば、立位時は腰椎前弯位を意識することで多裂筋が働きやすくなり立脚側下肢と体幹が垂直位になるように片脚立位をとることで、仙腸関節への揃断力に対し骨盤の安定化を図る為に内腹斜筋も働きやすくなるかと思います。

このように、各動作に必要な構成要素を知ることで、運動療法もより具体的になってくるかと思いますので是非、参考にしていただければ幸いです。

まとめ

いかがだったでしょうか?本日は、片脚立位に必要な体幹の筋活動について述べました。イメージはたすきをかけるように、前額面では立脚側内腹斜筋、遊脚側外腹斜筋が働き、背面は立脚側多裂筋と遊脚側の胸腰部脊柱起立筋が働くとわかると、アプローチも浮かんでくるかと思います。是非、色々試せると良いかと思います。また臨床上、動作を遂行する為に必要な構成要素を知っておくことは、とても重要なことだと思います。是非、様々な正常動作を知り、ポイントを絞って評価できるように一緒に頑張りましょう!

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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