こんにちは、taiです。
本日は、前回の記事:[見落としがち?]意外と知らない胸椎伸展の重要性!!からの続きで、胸椎伸展の促通方法について、説明していきたいと思います。なぜ胸椎伸展が重要なのかは、前回の記事を参考にして頂ければと思います。今回のアプローチも変わらず、富田昌夫先生の理論を用いたものですので、正確な知見は本書の臨床動作分析の確認をお願い致します。個人的には確実に臨床の視点が変わりますので、大変お勧めの良書です!!
~胸椎伸展の促通方法~
1.評価:初めに端坐位で肩屈曲のMMTを実施しアプローチ前後での筋発揮の程度を評価しておきましょう。機序としては、胸椎の伸展が促通されることで肩周囲(肩甲胸郭関節等の安定性向上)の出力が向上します。
2.次に背臥位で図のように顎が引けるように枕を調整します。また、胸椎の部分が後弯位や肩甲骨が外転位などのケースでは下にタオルを挟みできるだけ全面接触させるように調整します。※手間かもしれませんが、このひと工夫がないと効果が半減してしまう為、できるだけ行って下さい!全面接触させることで、余分な過緊張が軽減します!(みなさんもふかふかのベッドに寝転んだらリラックスしますよね)
3.肘を組み肩の前まで挙上します。麻痺や痛み等で肩の前まで挙上できない場合は、挙げられる高さにするか胸につけて実施して頂いても大丈夫です。
4.左右同じ振り幅になるように患者さんに目視させながら交互に腕振りを行います(できるだけ肘を振るようにして実施)。そうすることで身体の正中軸を知覚しながら実施できてます。片麻痺などの患者さんによっては、片方だけ振り幅が大きくなりやすいため、適宜修正しながら実施してください。また、体幹は無意識下での姿勢制御を行う箇所であるため、リズミカルにテンポよく交互運動を行うことが重要となります。目標は40秒以上で、出来れば2分3分とできるだけ長く実施して下さい。なぜ長く行うのかというと、体幹は姿勢保持筋の為、遅筋となります。なのでできるだけ有酸素運動のような低負荷で長い運動を実施することで促通されます。実施していくと肩回り含め疲労がでてくると思いますが、初めに疲れるのは速筋であるアウターマッスルです。そのまま、継続していくと遅筋が働くようになりますので無理ない範囲で挑戦して下さい。
5.その後、再評価として1の肩屈曲のMMTを実施してみて筋発揮が行えているか確認しましょう。ご自宅などの自主トレでも行いやすいので是非、体験してみて下さい。自主トレで指導する際は、背臥位で時間を見ながら行うのは中々大変だと思います。よってコツとしては40秒間で何回交互運動が行えるかを測定し、回数で提示した方が患者さんも数えながらリズムよく行えるかと思います。
本日も最後まで読んでいただきありがとうございました。