セラピスト向け

必見!健常者の歩行時の筋シナジーは5パターンで成り立っている⁉

こんにちは、taiです。

本日は、前回のブログ筋シナジー解析を用いた Fugl-Meyer Assessmentの筋活動の特徴とは??

でも触れました筋シナジーにおいて、歩行においてはどのようなパターンがあるのかをふと疑問に思い調べてみたのでご報告致します。

紹介する文献は「Patterned control of human locomotion(Francesco Lacquaniti,2012)」より抜粋して紹介します。

私見も含まれる為、詳細は原著をご確認ください。

本文献において、

運動は、複数の異なる筋に共通する、少数の基本的な時間成分や活性化するパターンで制御され、運動学的・運動学的目標を反映しているという仮説があります。ここでは、ヒトの運動に関して筋活動はいくつかの基本的なパターンの組み合わせで説明され、それぞれが歩行サイクルの異なる局面でタイミングを合わせていることが示されました。

とあります。

具体的に健常者の歩行時の筋シナジーのパターンがいくつあるのかというと、下肢で4パターン、体幹で1パターンで構成されていました。

実験に基づく生体力学的シミュレーション(Neptune et al. 2009)において、下図に示すように

パターンNo.1(主に股関節伸筋と膝伸筋を含む)は、立脚初期で踵接触時の体重免荷に寄与し、

パターンNo.2(足関節底屈筋)は、立脚後期での身体のサポートと前方推進に寄与し、

パターンNo.3(足関節背屈筋と股関節屈筋)は、遊脚初期から中盤での足のリフトオフに寄与し、

パターンNo.4(ハムストリングス)は、踵接地に備えて遊脚後期で脚を減速し、その後骨盤を安定させることを示しています。

また、状況に応じてパターンNo.5(腸腰筋および脊柱起立筋)に関連する追加のパターンがあり、脚を前方に加速し、立脚後期および遊脚前期で体幹を安定させる役割を担っています(Ivanenko YP, Cappellini G, et al.2005)。

この前方進行の矢状面上での制御に関与する同じ基本パターンは、矢状面以外における運動の制御にも関与しています。

Patterned control of human locomotionより引用

上記の歩行時の筋シナジーパターンを踏まえると、臨床でいろんな視点で活かすことができそうではないでしょうか?

例えば、歩行観察をする際に各歩行周期にどのパターンが行えていないのかをフォーカスして評価することができます。

tai
立脚初期の踵接地時に過度に膝屈曲している⇒股関節や膝伸展筋の問題?などが予測しやすくなりますね

また、運動療法を展開するにしても、ただ下肢をトレーニングするだけでなく体幹にも着目していく必要があります。

個人的には、No.5の腸腰筋と脊柱起立筋がきちんと働いているからこそ、No1~No4の筋シナジーが働くのだと思います。

前提条件として、体幹が垂直位になっていないとNo1からの踵接地が難しいですよね!

tai
身体で頭部(Head)、上肢(Arm)、体幹(Trunk)はパッセンジャーユニットと言われ、それらで身体の約7割を占めます。そりゃあ、下肢の上にまっすぐ乗っておく必要がありますよね!!

よって、上記の筋シナジーを見ていく順序もNo5から見て体幹が垂直位で保持できているのか?

保持できていれば、歩行周期の順にNo1から評価していくのがよいかと思います。

まとめ

いかがだったでしょうか?今回は、健常者の歩行時の筋シナジーについて説明しました。正常歩行に成立させる構成要素を知っておくことは、効率よく評価していく上で必須であり、問題点が見つけられればその後の運動療法にも展開しやすいかと思います。

是非、上記のパターンを意識して一緒に歩行がみれるようにしていきましょう!

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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