「足首の捻挫」したことありますか?
街中でもよく見かける、すごく身近なケガだと私は感じています。
今回はそのよく見かける内反捻挫(つま先が内側に捻じれる捻挫)について、その「特徴」と「対策」を文献と病院リハビリスタッフの観点からご紹介してきたいと思います。内容が多くなりますので前編(捻挫の特徴)と後編(対策:リハビリ内容等)に分けて紹介します。
【どんな人が多いの?】
・危険因子:女性・子供0-12歳・インドアで高い発生率 Doherty 2014
捻挫の既往かつBMI高値で高い発生率 Tyler 2008
【どこが損傷されやすいの?】
・靭帯別発症率:
急性期内反捻挫は前距腓靭帯の発生率が最も高い Swenson 2013
(内訳:前距腓靭帯85.3%、踵腓靭帯34.5%、前下脛腓靭帯26.4%、後距腓靭12.3%、三角靭帯5.4%、後下脛腓靭帯4.1%)
【どんな時になるの?】
・受傷機転:
内反捻挫において底屈位に限らず、背屈位での受傷を示唆 Mok 2011
内反捻挫の受傷機転には過度な距骨内旋が関与 Fong 2012
【どうなると危ないの?】
・グレード分類:
軽傷:どちらかの部分損傷(前距腓靭帯損傷または踵腓靭帯損傷)
中等度:断裂と無傷(前距腓靭帯断裂と踵腓靭帯無傷)
重度:断裂と断裂(前距腓靭帯断裂と踵腓靭帯無傷)
【レントゲンが必要となる状態(病院への受診が必要かの有無)】
・評価方法:Ottawa Ankle Rules(OAR) Bachmann 2003 Dowling2009
受傷直後の歩行不可(4歩)
✅内果後端6センチ以内の圧痛
✅外果後端6センチ以内の圧痛
✅第5中足骨の圧痛
✅舟状骨の圧痛
【捻挫をするとどうなるの?】
・筋力:
健患の差を埋めるためには、3-4か月かかる場合が多い(1か月で80%程度)
・バランス機能:
片脚立位時、健常者と比べて股関節の屈曲角度が屈曲位になりやすい
・靭帯機能:
関節安定性は受傷後6週~3か月まで改善されない
約30%は1年後に不安定性が残存する
【実際に捻挫しやすい足か評価してみよう!】
①背屈位での骨の安定性があるか?
-テスト①Knee Swing-
1.下腿をできる限り前傾させる 2.膝を外側へ動かす 3.母趾球挙上の有無を確認
Good(左図):母趾が浮いていない
Bad(右図):母趾が浮いてしまう
原因は・・・距骨内側の後方滑りがない(屈筋支帯滑走不全、屈筋腱滑走不全)!
②隣接関節が捻挫しやすい位置にあるか?
-テスト②背屈時の動き-
①距骨内旋 ②下腿内旋 ③足関節背屈 ④内果舟状骨間3㎝以内
Good:背屈の時に①~④の動きの連動や可動域がある
Bad:動きの連動や可動域がない
原因は…隣接関節の動きがでていない!
③底屈位での内がえしのアライメント
-テスト③正座-
正座した際の、足部内がえしの有無を評価
Good(左図):足関節がまっすぐである
Bad(右図):足関節が内側にむいている
原因は…距骨底屈位外転可動性の低下(伸筋支帯滑走不全、腓骨筋機能不全)!
3つのテストの結果…
Goodがいくつありましたか?
Badが多い場合には要注意!
後編では治療をご紹介します!