患者様・ご家族向け

習慣化の方法(運動習慣、ダイエット、禁煙などを継続して行える方法)

はじめに

運動の習慣をつけよう、ダイエットしよう、禁煙をしよう、宿題をはやく終わらせよう…
本当はしなければならないと頭では分かってけれど、なかなか習慣(行動)にできない…
そんなことはありませんか?
そこで…

習慣化には段階があるの?
tai
習慣化に方法なんてあるの?

そんな内容をご紹介いたします☺

 

 

もくじ

・新たな習慣を身に着ける=行動変容を助けるために、私たちが行う具体的な介入方法があります。
・そのためには、トランセオレティカル・モデル(以下、TTM)を活用します。
・TTMには核となる構成概念が「4つ」あるため、簡単に解説していきます💡

(1)行動変容の5つステージを知ろう
→前熟考、熟考、準備、実行、維持

(2)10のアプローチ方法を知ろう
→行動変容を促進するためのステージに合わせた働きかけ

(3)意思のバランスをみる
→行動を行う負担より恩恵を重くする

(4)自信を身に着ける
→「できる」という見込みを身に着ける

「TTMの構成概念」

文献1より引用

 

(1)行動変容の5つステージを知ろう

 

(2)行動変容への10のアプローチ方法

★TTMの活用について
心の状態や、各ステージ分類に応じて、働きかけを変えることで効果を高めることができます。

★患者への働きかけ(介入)について
現在のステージを次のステージに移動する働きかけを行います。
前半は、自身への経験をもとにした知識・感情への働きかけを。
後半は、周りの環境への働きかけを中心に行われます。

★ステージに合わせた10のアプローチ内容

今回は「散歩などの運動習慣をつける」を例として介入例を示します
※尚、№1~№10の詳細に関しては、別記事「行動変容」をご参照下さい。

①前熟考ステージ(行動する意思なし)
【№1】意識の高揚(なるほどと思う💡)
 例:健康雑誌を読むことを勧める、簡単な知識を与える
【№7】援助関係(誰かに助けてもらう💡)
 例:スポーツを行う間、子供を預かってもらう
【№5】社会的開放(社会でどうなっているか知る・気づく💡)
 例:散歩道を紹介する運動習慣の促進が社会でどのように進んでいるか気づく

※世間で話題となっている運動の利用性についての一般的な考え方を分かりやすく示すことで実施される。
②熟考ステージ(6カ月以内に行動する意思あり、実施なし)
【№1】なるほどと思う💡
 例:健康雑誌を読むことを勧める、簡単な知識を与える
【№9】自己解放(誰かに宣言する💡)
 例:家族や友達に運動することを宣言する
【№2】ドラマティック・リリーフ(ドキッとした)
 例:運動不足により重い疾患にかかった人について考えさせる

※現在の状態が、人の生命に影響を与えていることを深く気づかせることで実施させる。

②準備ステージ(1か月以内に行動する意思あり、不定期で実施)
【№3】自己再評価(生活変化のイメージをする💡)
 例:運動不足でいる生活と、運動している生活ではどうなるかをイメージさせる
【№7】誰かに助けてもらう💡
 例:スポーツを行う間、子供を預かってもらう
【№8】強化マネジメント(自分に褒美を与える💡)
 例:習慣が1週間続いたら、自分の褒美を与える

※行動を起こす準備ができており、自己への褒美のように、行動と関連する方法を考えさせるなどの、議論をはじめることを実施させる。

④実行ステージ(実施して6カ月以内)
【№9】誰かに宣言する💡
 例:家族や友達に運動することを宣言する
【№10】刺激コントロール(きかっけとなる合図をつくる💡)
 例:玄関の目立つところにウォーキングシューズを置く
【№8】自分に褒美を与える💡
 例:習慣が1週間続いたら、自分の褒美を与える
【№6】反射条件付け(代わりになる行動を行う💡)
 例:近い距離ならば、車でなく歩いていくように勧める

※行動を強化するために、運動維持の確約を示す誓約書、環境を変えること、自己報酬システム、維持するための代わりの行動が含まれる。

⑤維持ステージ(実施して6カ月以上継続)
【№10】きかっけとなる合図をつくる💡
 例:玄関の目立つところにウォーキングシューズを置く
【№6】代わりになる行動を行う💡
 例:近い距離ならば、車でなく歩いていくように勧める
【№8】自分に褒美を与える💡
 例:習慣が1週間続いたら、自分の褒美を与える

※習慣を維持できており、誘惑は弱くて頻度も少ない。しかし、運動を行わないで楽したいという誘惑は存在するため注意が必要。

 

 

(3)意思のバランスをみる

・単に負担と恩恵の2要因だけを利用し、それらを「意思のバランス」と呼んでいます。
・初期ステージでは、負担が大きく恩恵がわずかしか感じられないが、ステージが進むと逆転します。

 

 

(4)セルフエフィカシー(自信)をもつ

・セルフエフィカシーとは、課題に対して、適切な行動を成功に遂行できるという、予測および確信のことを言います。
・特に初期ステージでは、セルフエフィカシーを増強させる「4つの情報」が必要となります。

(1)過去の成功と失敗の体験
(2)他人の成功と失敗の様子を観察して、代理的体験を得る
(3)指導者から能力があることを言語形式で受ける
(4)能力を身体部位から感じ取ることができる、そのため上達したことを感じ取れる

 

まとめ


・行動変容へのアプローチとして調べた結果、TTMというアプローチを知りました。
・TTMには核となる構成概念が4つありました。

(1)行動変容の5つステージ
→前熟考、熟考、準備、実行、維持
(2)行動変容への10プロセス
→行動変容を促進するために使用するステージに合わせた働きかけ
(3)意志のバランスが関与
→行動を行うデメリット(負担)に対するメリット(恩恵)の重みづけをする
(4)セルフエフィカシー(自信)が関与
→「できる」という見込みをつけさせる

・他者の行動を変えたい!自分の生活習慣を変えたい!変えなければ!
・そう感じたらぜひ試して下さい。
・治療のキッカケになるかもしれません☺

 

【参考文献】
1)高齢者の運動と行動変容―トランスセオレティカル・モデルを用いた介入
2)アレルギー用語解説シリーズ,行動変容(behavior modification)

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