セラピスト向け

【理学検査】SLRテスト

本日は「腰」の理学検査で用いる「SLRテスト」について、評価の方法・判定・感度/特異度・検査の意義と学んでいきたいと思います。

要点まとめ

1.SLRテストとは?

・自動SLRテスト(疼痛評価、筋力検査)、他動SLRテスト(疼痛検査、可動域検査)と使用目的により分けられる
・主に坐骨神経痛の再現に使われる他動SLRテストについて解説する

2.評価方法

・患者は背臥位にて、検者は膝関節伸展位のまま、股関節を屈曲させていく(下肢伸展挙上)

3.判定

・80°-70°以下で痛み・痺れが出れば陽性

4.感度/特異度

・感度0.85/特異度0.52
・感度が高いためスクリーニング検査として有用
・特異度が低いため他の検査と合わせて判断する必要がある
※ブラガードテスト、ボンネットテスト
※坐骨神経以外の神経伸長テスト

5.解釈

・坐骨神経(L5、S1)の伸長ストレスによる神経根症状を疑う
・疼痛部位の定義についての統一性はない(腰痛・下肢・坐骨神経痛)

☆彡

1.SLRテスト

・自動SLRテストと他動SLRテストがある
・使用目的により分類されている(森本.2008)

・これより坐骨神経痛の再現に使われる他動SLRについて説明していきます

2.評価方法

①患者は背臥位とする
②検者は膝関節伸展位のまま、股関節を屈曲させていく(下肢伸展挙上)

3.判定

80°-70°以下で痛み・痺れが出れば陽性
・JOA腰堆スコアでは、正常、30~70°、30°未満に分けられている
・30-70°で坐骨神経が伸長される

4.感度/特異度

・感度0.85/特異度0.52
・感度が高いためスクリーニング検査として有用
特異度が低いため他の検査と合わせて判断する必要がある

※ハムストリングス伸長低下による筋性の場合でも陽性となるため以下の検査を追加するとよい

【ブラガードテスト】
・SLR陽性になった角度から股関節を5°おろし、足関節を背屈させて疼痛の出現を確認(坐骨神経の伸長)

【ボンネットテスト】
・SLR陽性になった角度から股関節を5°おろし、股関節を内転・内旋させて疼痛の出現を確認(坐骨神経)

【坐骨神経以外の伸長テスト】
・SLRの位置から足関節背屈+内返し腓腹神経)
・SLRの位置から足関節背屈+外返し脛骨神経)
・SLRの位置から足関節底屈+内返し総腓骨神経)

アトラス VISIBL BODY@より引用

5.検査の意義

・陽性の場合に坐骨神経(L5、S1)伸長による神経根症状を疑う
・疼痛部位の定義については統一性がない(腰痛・下肢・坐骨神経痛など)

まとめ

理学検査である『SLRテスト』について解説しました。

SLRテストには、自動・他動があり使用目的により分けられていました。
その中でも、坐骨神経痛の再現テストで使われる他動SLRについて解説しました。
SLRテストはスクリーニング検査には効果的です。ブラガードテストやボンネットテストと合わせて行うことでハムストリングスのタイトネスと鑑別することができます。
また、神経の走行が分かるとどの神経検査をしているか理解できそうです。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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